『株式か金のどちらを買うべきか判断できる』ダウ・ゴールドレシオ(Dow Gold ratio)を徹底解説。
ダウ・ゴールドレシオについて徹底解説していきます。
ポストコロナの世界を見据えた今後の投資戦略に参考になる情報もあると思います。
是非最後までご覧ください。
ダウ・ゴールドレシオについて
ダウ・ゴールドレシオは、ダウ平均株価を金価格で割ったものです。
『ダウ・ゴールドレシオ=ダウ平均株価÷金価格』
ダウ・ゴールドレシオが『1』であればダウ平均株価と1オンスあたりの金価格が同じであることを示しています。
この指標の長期チャートは以下のようになります。

株式が金より強ければ上昇し、株式が金より弱ければ下降します。
つまり、好況時にはダウ・ゴールドレシオは上昇し、不況時にはダウ・ゴールドレシオは下降します。
年 | 出来事 | 指数 |
1929年 | 初期ブーム | 15.72 |
1971年 | ニクソン・ショック | 26.21 |
1980年 | 金価格ピーク | 1.51 |
2000年 | 初期ITバブル | 39.88 |
1929年初期のバブルでは、株価の高騰により、ダウ・ゴールドレシオは15.72を記録しました。
1971年にニクソンショックにより26.21まで高騰。
そして、1979年に第二次オイルショックが発生すると、市場はリスクオフの姿勢を示し、金価格がピークに達しました。(ダウ・ゴールドレシオは1.51を記録)
1990年代後半から2000年代初期にかけて、IT関連株の急騰に伴い、ダウ・ゴールドレシオも39.88と史上最高値を記録しました。
2011年頃からはFRBのQEプログラムの影響で株式が買われるようになり、2019年にピークをつけています。
しかし、2020年から下落が始まっていることを考えると、金価格が株式をアウトパフォームする時代が迫ってきているように考えられます。
金価格について
金が他の大半の金融資産と異なる点は、希少性が高く実物そのものに価値がある点です。
金には『オンス』という単位が使用されており、1オンス≒31gです。
現在の金価格は1800ドル/オンスで取引されています。
金価格の長期チャートは以下のようになります。

1971年のニクソンショックにより金価格が固定相場制から変動相場制に移行し、値動きが大きくなっています。
ニクソンショック前には金1オンス=35ドルの固定レートで金とドルとの交換が保証されていました。
そのため、中央銀行である連邦準備理事会(FRB)は米国債を引き受けることで無制限にバランスシートを拡大できない状態でした。(ドルの発行額に応じた金が米国にないため)
しかし、金価格が変動相場制に移行したため中央銀行は、無制限にバランスシートを拡大させて紙幣を増刷し、国債を購入可能となりました。
(中央銀行は、債務に相当するドル紙幣を金に交換しなくてもよいため)
コロナショックにより、2020年に金価格は史上最高値を更新しています。
ポストコロナを見据えた投資戦略
- ダウ・ゴールドレシオが下落トレンドにある点
- 金価格が上昇している点
以上の2点から、今後も金価格が上昇することが予想できます。
2021年現在、FRBや日銀は無制限の国債等の資産購入を行っています。
また、世界中の中央銀行でコロナショックの対策として量的緩和に踏み切っています。
そのため、世界にはとんでもない量の通貨が供給されています。
一方で、金の埋蔵量は変化しません。
ポストコロナの世界では通貨増大によるインフレ率の上昇(通貨の価値が下落すること)が想定されるため、金価格の上昇が想定されます。
金への投資を考えていく局面に移ってきていると思われます。
金への投資はこちらを参照してください。
金(ゴールド)に投資する方法[金ETF][金鉱株ETF]まとめ
今回の記事が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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