米国社債ETF『LQD』でリスク低減かつ分配金増強が可能
最近は米国の長期金利上昇に伴い株式市場全体が下落しています。
そもそも2月は下落相場になりやすいというアノマリーも下落要因の一つだと思います。
詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。
株価が下落傾向にある中、今までは全て株式でリスクを取って運用していた方も、リスクを考慮してポートオリオを調整しようと考えている方も多いと思います。
リスク調整に役立つ現代ポートフォリオ理論についてはこちらの記事を参考にしてみてください。
⇒現代ポートフォリオ理論を分析(WealthNaviのリスク許容度5段階)
今回は僕が19万円分投資している米国社債ETFの『LQD』を運用状況と合わせて解説していきます。
この記事を読むことで、LQDの特徴が分かります。
ちなみに僕は今回『LQD』への投資金額を増やすことを決めました。
それでは是非、最後までご覧ください。
債券について解説
発行元によって名称が異なる
- 国が発行・・・国債
- 地方自治体が発行・・・地方債
- 政府機関が発行・・・政府保証債
- 企業が発行・・・社債
- 銀行が発行・・・金融債
国債よりも社債の方が(リスクが高いので)利回りが高くなります。
債券の特徴①
- 利率が決まっている。
- 満期日が決まっている。
- 長期リターンは株式よりも劣る
- 株式よりも値動きが小さい(下落に強い)
債券の特徴②
- 金利が上がると債券価格は下落する。
- 金利が下がると債券価格は上昇する。
最近は長期金利が上昇しているので、債券価格は下落傾向にあります。
債券の特徴③
- 短期債券は利回りが低い+値動きが小さい
- 長期債券は利回りが高い+値動きが大きい
『LQD』の運用状況(2021年2月28日時点)
- 投資開始日:2020年8月6日
- 投資額:191,576円
- 評価額:183,282円
- 評価損益:-8,294円
- 配当金:15.94$/1,699円
- 配当利回り:0.9%
- 合計利益:-6,595円
- 合計利回り:-3.4%
現在は評価損となっています。
ただ、長期運用していく予定ですので気にしていません。
むしろ、買い増しするには絶好のタイミングと考えています。
『LQD』について解説
LQDの詳細
- LQD(iシェアーズiBoxx米ドル建て投資適格社債ETF)
- 運用会社:ブラックロック社
- インデックス:Markit iBoxx米ドル建てリキッド投資適格指数
- 純資産総額:4.7兆円
- 経費率:0.14%
- 分配利回り:2.5~3.0%
- 2371社の投資適格社債に投資する優良債券ファンド
- 米国の債券全体と同じ値動きを目指す。
LQDのトータルリターン(分配金+含み益)

LQD | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 |
---|---|---|---|---|---|
トータルリターン(%) | 11.14 | 7.80 | 7.31 | 6.12 | 6.02 |
設定来のトータルリターンは6.02%となっています。
S&P500のトータルリターンが6.78%であることを考えると、遜色ないと思います。
また、同じ債券ETFである『AGG』のトータルリターンが4.24%であることを考えると、LQDのトータルリターンは非常に魅力的です。
10年間LQDの分配金を再投資すると約1.8倍に増えます。
LQDのポートフォリオの特性
ベータ値:0.32
ベータ値・・・S&P500と比べてどのくらい値動きするのか表した指数の事。
つまりS&P500の約1/3の値動きをします。
債券ETFである『AGG』のベータ値は0.05ですので、より値動きがマイルドになります。
実効デュレーション:9.22年
長期金利が1%上昇すると、何%下落するかを意味する。
つまり長期金利が1%上昇すると約9%下落する。
債券ETFである『AGG』の実効デュレーションは6.15年ですので、より値動きがマイルドになります。
LQDの資産構成
業種別

景気敏感株である銀行業が多いので、値動きは大きくなります。
残存年数別

値動きが大きい長期債券の割合が多いです。
信用格付別

投資適格社債の中では最も格付けが低いBBBの割合が多いです。
『LQD』のコロナショック時のチャート

- 赤色・・・LQD
- 青色・・・IVV(S&P500)
- 緑色・・・AGG
債券価格は下落しにくいという特徴があります。
ただ、昨年のコロナショックでは手元資金確保のために債券を現金に換えたので、債券価格も大きく値下がりしました。
AGGの値下がりは比較的小さいですが、LQDの値下がり幅は意外と大きかったです。
しかし、注目していただきたいのは価格が立ち直りが早い点です。
S&P500が元の価格まで戻るのに約3カ月要しているのに対し、LQDはわずか一カ月で元の価格まで戻しています。AGGに至っては一カ月たたずに立ち直っています。
つまり、債券が元の価格に戻ってから売却し、まだ価格がもどっていない株を買い増しすることで利益を最大化することが可能です。
『LQD』への投資方法まとめ
LQDをポートフォリオに組み入れることで、以下のような効果が期待できます。
- 毎月の分配金を増やすことができる。(分配金利回り2.5%~3.0%)
- ポートフォリオ全体の値動きをマイルドにできる。
- 金融危機の際に、株式に組み替えてリターンを最大化することができる。
- LQD自体に分配金を再投資することで、年率6%で資産が増えていく。
つい先日、VTIへ追加で120万円投資しました。その時は債券はリターンが小さくなるだけだから投資するつもりは今後もないと考えていました。
しかし、今回調査を行ってLQDに50万円分追加投資しておけば良かったと思いました。
皆様の今後の投資戦略の参考になれば幸いです。
今回の記事が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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