VT(全世界株) vs VTI(米国株)【米国2大最強ETFを徹底比較】

パフォーマンス比較
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VT(全世界株) vs VTI(米国株)【米国2大最強ETFを徹底比較】

  • VT(全世界株)とVTI(米国株)どっちがいいのか分からない
  • 過去15年以上さかのぼると情報がなくてよく分からない
  • 一方を保有しているけど自信がない

投資の知識が少なく経験が浅いうちは投資先を選ぶ基準が分からないので、なんとなく評判が良い投資先を選んで買ってしまいます。そのため、含み損を抱えた際にパニックになって売ってしまい、お金を減らしてしてしまうことがあります。

僕は投資を始めて11年になりますが、過去のデータを根拠に投資先を選んでいますので株価が多少下落しても安心して持ち続けることができています。※根拠なしに流行っている投資商品を買って損してしまうこともありますが。。。

この記事では、米国ETFを検討する際に必ず悩んでしまうVT(全世界株)とVT(米国株)を徹底比較しています。

【結論】

・リスク許容度が低く心の安定を求めたい方はVT(全世界株)に投資すべき

・トータルリターンを増やしたい方はVTI(米国株)に投資すべき

・えいぎょは圧倒的にVTI(米国株)派

えいぎょ
えいぎょ

この記事を読むだけで、今まで投資知識がなかった方でも投資中級者並みの知識を手に入れることができますので、是非最後までご覧ください。

VT(全世界株)とVTI(米国株)の特徴

比較項目VT(全世界株)VTI(米国株)
名称バンガード・
トータルワールドストック
マーケットETF
バンガード・
トータルストック
マーケットETF
ベンチマークFTSEグローバル・オールキャップ・
インデックス
CRSP US トータル・マーケット・
インデックス
投資銘柄数9,287銘柄4,124銘柄
設定日2008年6月26日2001年5月31日
純資産総額34,200百万ドル
($34.2 billion)
1,300,000百万ドル
($1.3 trillion)
配当利回り1.09%
3,6,9,12月
1.37%
3,6,9,12月
経費率0.08%0.03%
基準価格93.80ドル207.49ドル
引用元:Bloomberg

投資銘柄数

・VT(全世界株)・・・9,287銘柄

・VTI(米国株)・・・4,124銘柄

投資銘柄数はVT(全世界株)がVTI(米国株)の2倍以上分散されています。分散されればされるほどリスクは低くなっていると考えることができます。

投資国比率

順位投資国VT(全世界株)VTI(米国株)
1位米国60.2%100%
2位日本6.2%0%
3位イギリス3.8%0%
4位中国3.6%0%
5位カナダ2.8%0%
6位フランス2.5%0%
7位スイス2.4%0%
8位ドイツ2.1%0%
9位台湾2.0%0%
10位オーストラリア1.9%0%
11位インド1.5%0%
その他11.0%0%
引用元:Vanguard

VT(全世界株)を買えば様々な国に投資することができます。日本が2位なので少し嬉しいです。中国が少し前まで3位だったのですが、中国政府のハイテク企業への締め付けにより4位に後退していました。

えいぎょ
えいぎょ

VT(全世界株)を保有していれば、将来伸びてきた国が出てきたら自動で調整してくれる点がメリットです。(※現時点では米国が60.2%を占めています。)

セクター比率

セクターVT(全世界株)VTI(米国株)
素材 5.01%2.00%
一般消費財10.65%16.30%
生活必需品6.69%4.40%
金融15.49%11.60%
ヘルスケア11.44%12.80%
資本財12.25%13.00%
エネルギー3.42%3.00%
テクノロジー19.48%28.20%
通信・サービス9.31%2.60%
公益2.67%2.60%
不動産3.49%3.50%
えいぎょ
えいぎょ

VTI(米国株)はテクノロジー比率が圧倒的に高くなっています。

組み入れ上位10銘柄

順位VT(全世界株)VTI(米国株)
1位MSFTMSFT
2位AAPLAAPL
3位GOOGLGOOG
4位AMZNAMZN
5位TSLATSLA
6位FBFB
7位NVDANVDA
8位BRK-BBRK-B
9位TSMJPM
10位JPMUNH
上位10社が占める割合15.20%24.90%

VTの9番目にTSM(台湾セミコンダクター)が入っています。VT(全世界株)は、米国企業以外にも投資できる点が魅力です。上位10銘柄が総資産に占める割合も、VTI(米国株)の24.90%よりも低く15.20%になっています。

純資産総額

・VT(全世界株)・・・34,200百万ドル($34.2 billion)

・VTI(米国株)・・・1,300,000百万ドル($1.3 trillion)

VTI(米国株)の方が圧倒的に純資産総額が大きくなっています。米国人は基本的には米国に投資を行います。そのため、他の国に投資したい場合は米国株が多く含まれるVT(全世界株)を買うのではなく、米国株を除くVEA(先進国株)やVWO(新興国株)を買うことが要因として考えられています。

えいぎょ
えいぎょ

日本人なのでなかなか気づきませんが、VT(全世界株)は米国人には人気がないみたいです。

配当利回り

・VT(全世界株)・・・1.09%

・VTI(米国株)・・・1.37%

100万円分投資して、VT(全世界株)が10,900円/年、VTI(米国株)が13,700円/年になります。

VTI(米国株)の方が若干優れています。配当月はどちらも3,6,9,12月になります。

経費率

・VT(全世界株)・・・0.08%

・VTI(米国株)・・・0.03%

100万円分投資して、VT(全世界株)が800円/年、VTI(米国株)が300円/年になります。

VTI(米国株)の方が若干優れていますが、どちらも低く差も少ないです。パフォーマンスが資産に与える影響と比較して、経費率の差が資産に与える影響は非常に小さいです。以前、投資信託を比較する記事で説明しています。

<<あわせて読みたい>>

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) VS 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)【つみたてNISA史上最大のお悩みを解決】

基準価格

・VT(全世界株)・・・93.80ドル

・VTI(米国株)・・・207.49ドル

基準価格はVT(全世界株)の方が低く、少額から購入することができます。少額から購入できるので、配当金再投資しやすいというメリットがあります。

えいぎょ
えいぎょ

配当金をそのまま同じ銘柄に再投資するのであれば、VT(全世界株)やVTI(米国株)に連動した投資信託の購入をオススメします。投資信託であれば、自動的に配当金を再投資してくれるので税金を取られることなく基準価格上昇分として受け取ることができます。

  • VT(全世界)→eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) or 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
  • VTI(全米)→楽天・全米株式インデックス・ファンド

ETFヒートマップ

ETFヒートマップ上では、VT(全世界株)とVTI(米国株)は別ジャンルになっています。

・VT(全世界株)・・・GLOBAL INDEX(全世界の株式指数)に分類され、同じ分類にはACWI(全世界株)がある。

・VTI(米国株)・・・US INDEX(米国の株式指数)に分類され、同じ分類にはVOO(S&P500)、DIA(ダウ30種)、QQQ(ナスダック100)などがある。

チャート比較

チャート比較【1年】

チャート比較【5年】

チャート比較【15年】

1年、5年、15年でチャート比較をしました。※VT(全世界株)の設定日が2008年6月26日であるため、15年以上のチャート比較はできません。

えいぎょ
えいぎょ

過去15年間であれば、どの期間で区切ってもVTI(米国株)のチャートの方が優れています。

シミュレーション比較【15年間】

・期間:2008年~2021年(約15年間)

・初期費用10,000ドル(約100万円)を一括投資して運用

・配当金は再投資する

<<シミュレーション結果はこちら>>

・VT(全世界株)・・・41,318ドル、年率12.02%、最低成績の年率リターン-9.76%

・VTI(米国株)・・・63,352ドル、年率15.92%、最低成績の年率リターン-5.21%

全世界株『VT』vs 全米株式『VTI』【徹底比較で結論あり】

えいぎょ
えいぎょ

過去15年間の配当金再投資した場合のシミュレーションでは、圧倒的にVTI(米国株)の方が優れていました。

過去30年の長期間で比較

・VT(全世界株)の設定日・・・2008年6月26日

・VTI(米国株)の設定日・・・2001年5月31日

VT(全世界株)の設定日が2008年のため、過去15年間のチャート比較やシミュレーションしかできませんでした。そのため、過去15年間だけを比較してVTI(米国株)の方が優れているといっても根拠としては少し弱いです。

そこで、ETFヒートマップで出てきたACWI(全世界株)に注目してみました。

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス[ACWI(全世界株)]

MSCI オール・カントリー・ワールド・インデックス

(ACWI:All Country World Index)

米MSCI社が提供する外国株式インデックス。国内外において、グローバル投資の際のベンチマークとして最も有名なインデックス シリーズで、多くのETF、投資信託が同社インデックスと連動する形で提供されている。各国市場の時価総額上位約85%(Small Capシリーズを含めると最高99%)をカバーする広範なインデックス。

引用元:myINDEX

VT(全世界株)≒ACWI(全世界株)、VTI(米国株)≒SPY(S&P500)

このチャートで、VT(全世界株)はACWI(全世界株)とほぼ同じ値動きをすることが分かります。また、VTI(米国株)はSPY(S&P500)とほぼ同じ値動きをすることが分かると思います。

そこで、以下のように考えて過去30年間のチャート比較を行っていきます。

VT(全世界株)≒ACWI(全世界株)

VTI(米国株)≒SPY(S&P500)

チャート比較【30年(1989年~2020年)】

過去30年間を比べてみても、VTI(米国株)≒SPY(S&P500)のパフォーマンスの方が圧倒的に優れていることが分かりました。ただし直近の15年間が圧倒的な米国一強の時代だったので当然と言えば当然の結果になります。

そこで、VTI(米国株)にとって一番不利な米国の暗黒時代(2000年~2010年)でのチャート比較を行いました。

チャート比較【10年(2000年~2010年)】※米国暗黒時代

米国の暗黒時代(2000年~2010年)で区切った場合、なんとVT(全世界株)≒ACWI(全世界株)のリターンの方が優れていることが分かりました。2000年~2010年は米国のITバブル崩壊とリーマンショックがあったことで、米国は長期低迷してしまいました。

一方で、BRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)と呼ばれる新興国が大きく伸びたことがVT(全世界株)≒ACWI(全世界株)のリターンの方が優れていた要因として考えられます。

ただし、よく見てみると米国が低迷している期間は全世界株も米国に足を引っ張られて低迷していることが分かります。

えいぎょ
えいぎょ

将来的に仮に10年程度米国株が低迷したときに「VT(全世界株)≒ACWI(全世界株)に投資していて良かった~」と思えることがあるかもしれません。しかし、そのVT(全世界株)≒ACWI(全世界株)のリターンも米国に足を引っ張られて大したことないと予想されます。また再び米国の時代が訪れる可能性が高いと考えているので、そうであればVTI(米国株)≒SPY(S&P500)に投資し続ける方が良いと思います。

毎月2万円を積み立てた場合(10年、30年)

毎月2万円を各資産に長期積立(10年、30年)した場合の最終資産残高、平均値(リターン)、標準偏差(リスク)を算出したデータを上の図になります。

期待リターンは、10年、30年で米国(S&P500)が最も優れています。リターンをリスク(標準偏差)で割った指標である効率性は、10年では世界株式(日本除き)、30年では米国株式(S&P500)が優れています。

えいぎょ
えいぎょ

このデータからも、やはりVTI(米国株)≒SPY(S&P500)が優れていると思います。リスク許容度が低い方は元本割れリスクが低いVT(全世界株)≒ACWI(全世界株)が良いと思います。

VTI(米国株)に投資すべき理由6選

①VT(全世界株)は暴落対策にはならない

2020年のコロナショック時のチャートになります。VT(全世界株)は以下のように構成されています。

VT(全世界株)=VT(米国株)+VEA(先進国株)+VWO(新興国株)

これを見ると「VT(全世界株)に投資しているから暴落時に安心だ。」と言えない理由が分かると思います。同じ株式に投資している時点で、同じような値動きをしてしまうのです。さらに言えば、米国が強い時代が続いていることもあり暴落後にはVTI(米国株)の方が早く回復しています。

えいぎょ
えいぎょ

VT(全世界株)で、パフォーマンスの低いVEA(先進国株)とVWO(新興国株)を取り込むことで暴落対策になるどころか、逆に暴落に弱くなってしまっています。※米国のみパフォーマンスが低くなった場合はVT(全世界株)の方が良いケースはあります。

②世界の時価総額の推移(1899年~2017年)

引用元:マネーの達人

この図を見て、長期では世界で一番の国が変わる可能性があるということが分かります。1899年はイギリスが世界の1/4を占めて世界一でしたが、今では全く目立たない位置づけです。1980年以降の日本は『ジャパン・アズ・ナンバーワン』と言われた通り、時価総額が米国と同じくらい大きくなっています。

過去のイギリスや日本などを見ると、一国集中投資が危険だと言えます。しかし、現在半分を占める米国がここまで落ちていくとは考えにくいです。落ちたとしても、2位~3位程度には留まるような気がします。

この場合、VT(全世界株)が世界一の国に牽引されていたとしても、足を引っ張る国も必ず含まれているので、結局VTI(米国株)のリターンよりも劣るのではないかと思います。

えいぎょ
えいぎょ

100年~200年スパンで考えるとVTI(米国株)への投資は少し不安になりますが、僕が投資できる期間は80歳まで投資し続けるとしても50年未満です。50年未満であれば、VTI(米国株)のリターンがVT(全世界株)に負けることは考えにくいです。

③米国のGDPは世界最大

GDP・・・一定期間に国内で生み出された付加価値(中間投入物を除いた生産額)の合計であり、生み出された付加価値は分配されて所得になるので、国の経済規模や国の豊かさを表す指標といえる。

引用元は記事の最下部にまとめています。
えいぎょ
えいぎょ

国の豊かさを表す指標が米国は世界最大です。凄い勢いで中国が追いかけていますが、中国は政府の締め付けなどがあり株価は低迷していますので、仮に世界一になったからといって株価に反映されるかといったらそうでもないと思います。また、中国を以外の国で米国を追い抜く国はなさそうです。

④米国は人口は増え続ける

上のグラフは国連の人口予想(中位予測)による、米国の将来の人口推移になります。2050年まで右肩上がりで人口が増え続ける事が予想されています。もっとも控えめな「Low variant(低位予測)」でも、2050年の米国の人口は3億5000万人以上と予測されており、人口増加が進むのは確実だと考えられています。

人口が増加するので米国の出生率は高いと思いきや、2015年時点の米国の出生率は1.84しかないです。統計学的には、人口維持には2.07以上の出生率が必要となるので人口は減少していきそうです。

それにも関わらず人口増加が予測されているのは、多くの移民を受け入れているからです。

米国は元々移民の国であり、世界中から多くの人が集まったことで、世界最強の国家を築いてきたという歴史があります。少子化といった人口減少に悩む他の先進国とは対照的に、移民の力によって最強国家を維持し続けると予測されています。

えいぎょ
えいぎょ

人口減少の心配がないということは、株価にとっては非常に大きなプラス材料になります。2050年まで人口増加し続ける国に投資できるというだけでも安心できます。

⑤新興国株の過去のリターンは低い

上の図は過去117年の先進国と新興国の株式のリターンを表しています。

  • 青色・・・先進国株
  • 黄色・・・新興国株

VT(全世界株)のメリットの一つに「新興国の需要も取り込める」というものがあります。しかしこの図を見ると新興国は人口も増えて経済成長もしているのにも関わらず、先進国のリターンを下回っています。要因としては、新興国はインフレ率も高いことが考えられます。

成長率が高くても同時にインフレ率も高いので、実質リターンは低くなってしまいます。

えいぎょ
えいぎょ

長期的に見て新興国のリターンの方が大きくなっているのであれば、多少のリスクを背負ってでも投資すべきです。しかしリターンが低くなりそうなのであれば、わざわざポートフォリオの中に新興国を入れる必要はありませんね。

⑥112年の国別実質リターン比較

上のグラフは、1900年~2012年の世界各国の株式・債券の実質リターンになります。

・World≒VT(全世界株)・・・5.5%

・United States≒VTI(米国株)・・・6.2%

過去112年での結果からも、VTI(米国株)の方が優れていることが分かります。

えいぎょ
えいぎょ

当然逆転する可能性もあると思います。しかし、過去112年の結果でVTI(米国株)の方が優れていた実績があるので素直に考えたらVTI(米国株)が今後も上回る可能性が高いと思います。

まとめ

【結論】

・リスク許容度が低く心の安定を求めたい方はVT(全世界株)に投資すべき

・トータルリターンを増やしたい方はVTI(米国株)に投資すべき

・えいぎょは圧倒的にVTI(米国株)派

・過去15年間のチャート比較でVTI(米国株)の方が優れる。

・過去30年間のチャート比較でVTI(米国株)≒SPY(S&P500)の方が優れる。

・VTI(米国株)に投資すべき理由6選

 ①VT(全世界株)は暴落対策にならない

 ②世界の時価総額の推移(1899年~2017年)

 ③米国のGDPは世界最大

 ④米国の人口は増え続ける

 ⑤新興国株の過去のリターンは低い

 ⑥112年の国別実質リターン比較

えいぎょ
えいぎょ

リスク許容度が低く心の安定を求めたい方以外はVTI(米国株)に投資していただきたいと思います。ちなみにお笑い芸人の「厚切りジェイソンさん」もVTI(米国株)を信じて投資しています。また、ツイッターもやっておりますので、よろしければフォローをお願いします。

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