【個人投資家向け】株価の暴落に備える『現金比率』の3つの目安
現預金で銀行に預けておいても、ゆうちょ銀行は0.001%で、楽天銀行を上手に活用しても0.1%しか金利はつきません。
最近は、ガソリン価格も目に見えて上昇していて明らかに家計に影響が出てきています。そんな状態でほとんど金利のつかない現金で保有しておくことは、逆にリスクだと思います。
一方、投資をする上で意外と悩むのが現金比率です。今回はこの悩ましい現金比率について徹底解説していきます。
・現金比率と目安について知りたい人
・株価の動きと反比例する投資家の現金比率について詳しく知りたい人
・保有資産の海外比較と金融資産額の推移について知りたい人

現金比率以外にも海外との比較データについても紹介していきます。非常に面白いデータで、僕は現金比率を高くしている場合ではないと感じたので是非、最後までご覧ください。
現金比率とは
資産運用における投資資金のうち、現金で保有している割合(%)のこと。
具体的には、投資にまわせる全ての資金のうち、株式や債券などの投資にまわしていない現金(現預金)の割合のことをいいます。例えば、現金比率10%である場合は、90%が株式や債券等で保有されている状況を指します。
一般的に現金比率が低いと投資の自由度が小さくなるのに対し、現金比率が高いと投資の自由度が大きくなります。

僕は「現金比率=総資産における現金の保有割合のこと」だと考えていましたが、正しくは投資資金のうちの現金の保有割合のことでした。これは結構間違われている方が多いのではないでしょうか。要チェックです。
現金比率の目安について
年齢との関係について

個人投資家の場合、「年齢=現金比率」と一般的にいわれています。
・20歳=20%
・30歳=30%
・40歳=40%
・50歳=50%
・60歳=60%
・70歳=70%
金融危機などが発生すると、一時的に株価や債券などが大きく下落してしまいます。特に株価には大きな影響を与えます。しかし、多くの場合はある程度の年月が経過すると回復し株価はさらに上昇していきます。
若い年代であれば、金融危機で一時的に資産が目減りしても投資を継続することで長期的にはより資産を増やすことができます。
一方で、退職金などを運用されている世代の方は、金融危機で大きく資産が減少した場合に株価の回復を待つことが困難になってしまいます。
そのため、若い時に積極的に投資にお金を回し、歳をとるにつれて現預金比率を高めて資産をまもるという考え方になります。

この考え方を適用すれば、僕の最適な現金比率は33%になります。
ライフプランについて

結婚や出産・育児などが控えている場合には、現金比率を高めておく必要があります。
結婚については、婚約指輪、結婚指輪、結婚式など色々なところでお金が必要になります。結婚指輪は5万円から高くてもせいぜい20万円程度ですが、婚約指輪と結婚式の費用は上を見ればきりが無いほど金額が上がってしまいます。
また、育児においてはやはり教育費が必要になります。以前、こちらの記事で平均値について調査しましたが、大学生になるまでの教育費でも僕の予想をはるかに超えるほど高かったです。
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結婚式については、なるべくお金をかけないようにしよう!!と妻と話し合ってなるべくお金をかけないようにかけないようにして計画していきました。結婚式の準備などは大変でしたが、結婚式当日は本当に幸せでした。3年前の話になるので、具体的な金額は忘れていましたが今領収書を見返してみると248万円でした。思っていたよりも大きな金額を使っていたことに衝撃を受けました。やはり結婚式などのイベントを控えている場合は現金比率を増やしておく必要がありそうです。
株価下落時に備える


株価下落時に備えた現金比率にしておくことで、精神的な余裕を持つことができます。また、価格が下がった株を買い向かうことができます。
一方で、フルインベストメント状態であれば株価下落時に精神的な余裕を持つことはできませんし、ましてや現金がないので株価下落時になにもできません。
リーマンショックやコロナショックのような株価の大暴落がきて、資産価格が半減したとしても狼狽売りしないような現金比率にしておくことが必要になります。


僕がコロナショックを経験した際は、現金比率高めでした。400万円分株を購入しましたが、株価がさらに下がって含み損が100万円を超えると、そこから追加投資する精神的な余裕は出ませんでした。現金比率が高い状態でなんとか乗り切れた状態だったので、今後の現金比率についてもしっかりと考えておく必要があると思います。
株価の動きと反比例する投資家の現金比率


- 赤色の折れ線・・・S&P500のチャート
- 青色の折れ線・・・投資家の現金比率
2000年のITバブル崩壊、2008年のリーマンショックが灰色(背景色)の部分になります。
S&P500のチャートはどちらも急落していることが分かります。この時の投資家の現金比率に着目していただきたいのですが、株価の急落と同じペースで投資家の現金比率が高まっていることが分かります。2008年のリーマンショックの時には、明らかに狼狽売り(パニック売り)していることが確認できます。その後の株価の回復に伴い、現金比率も下がっています。
下がっている時の「パニック売り」と上がっている時の「熱狂的な買い」が生じていることを意味します。これによりファンドのコスト上昇、税金の発生、手数料の発生等が生じ、リターンを下げてしまいます。
株価上昇時・・・現金比率が低くなりやすい
株価下落時・・・現金比率が高くなりやすい
上のような投資家の非合理的な行動により、リターンは悪化する。


株価の上昇、下落に合わせて現金比率を変動させるとリターンは悪化することが分かりました。株価下落時に狼狽売りさえしなければ問題ないような気がしてきました。
保有資産の日米欧比較


日本・・・現預金の比率54.3%、投資信託・株式等の比率14.3%
米国・・・現預金の比率13.3%、投資信託・株式等の比率37.8%
欧州・・・現預金の比率34.3%、投資信託、株式等の比率18.2%
日本は、他の国の方と比べて現預金比率が高く50%を超えています。米国の現預金比率13.7%と比較すると4倍近くも現預金比率が高くなっています。
日本の投資信託・株式等の比率はもちろん低く、14.3%にとどまっています。米国の37.8%と比較すると半分以下にとどまります。


日本と海外を比較すると大きな違いが見えてきました。一般的に、日本人は真面目で勤勉と言われていますが、金融資産についても真面目な感じが伝わってきました。このような家計における金融資産構成の違いが、将来の資産形成にどのような影響を与えているのかについても調査し、面白いデータをみつけました。
金融資産額の推移


金融庁が発表した「人生100年時代における資産形成」で米国と日本の金融資産額の推移についてまとめられていました。
株や投資信託で資産形成を行っている米国は、金融資産額が18年間で約8倍に増えています。一方、金融資産における現預金比率が高い日本は、金融資産額が20年間で約2倍にとどまっています。圧倒的な差がついていることが分かります。
日本・・・金融資産額が20年間で約2倍
米国・・・金融資産額が18年間で約8倍
日本と米国の間には、資産形成で約4倍の差が生じてしまっている。


現預金比率の違いが将来の資産形成に大きな影響を与えてしまっていることが分かります。現預金比率を低くして、投資にまわしておかないと資産額にどんどん差がついていってしまいますね。
まとめ
・若い時には積極的に投資にお金を回す必要がある。
「年齢=現金比率」という目安がある。
・ライフプラン、株価下落時に備えて現金比率を決める。
・株価によって現金比率を変動させず、リターンを悪化させない。
・日本は米国と比較して現預金比率が高く、将来の資産額に大きな差が生じている。


今回、現金比率ということで調査してきました。現金比率について迷っていた方には参考になる記事になったのではと思います。僕としては、現金比率が低くても株価下落時に狼狽売りさえしなければ全く問題ないように思いました。それよりも、現金比率が高い状態でいることが将来の資産形成においてリスクになるように感じました。これからも有益な情報を発信していきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。今回の記事が、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
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