【徹底比較】eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) vs 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)
- 『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の特徴と過去のパフォーマンスを知りたい。
- 『楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)』の特徴と過去のパフォーマンスを知りたい。
- どっちがお金が増える可能性が高いのか教えて
これからつみたてNISAなどの非課税制度を活用して投資をはじめたいという方は、どの投資信託を選んだらよいのか迷ってしまいます。つみたてNISAは投資期間が20年と長くなるので、一年間のパフォーマンスの差が小さくても将来のリターンに大きな差が生じてしまいます。
僕もつみたてNISAを開始した当初はどこに投資したら良いのか分からず、いろいろな投資信託を買っていました。しかし、投資研究を続けているうちに『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)』のどちらかを選んでおけば間違いないことが分かりました。
この記事ではさらに一歩進んでこの二つの投資信託を徹底比較しています。
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<<この記事の結論>>
- パフォーマンス面では楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)が優れる。20年間で+101万円。※ただし過去20年の場合で切り取る期間による。
- 運用コスト面ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が優れる。20年間で+16万円。
- 毎月積立額は33,333円に設定すべき。33,000円の場合と比較して20年間で+19万円。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』と『楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)』を徹底比較
比較項目 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI) |
---|---|---|
NISAランキング (買付金額) | 1位 | 3位 |
純資産総額 | 約1兆3,022億円 | 約6,040億円 |
ベンチマーク | S&P500指数 | CRSP US トータル・マーケット・インデックス |
設定日 | 2018年7月3日 | 2017年9月29日 |
運用コスト (信託報酬) | 0.0968% (0.0968%) | 0.162% (0.132%) |
投資銘柄数 | 500社 | 4,000社 |
純資産総額(※2022年7月17日時点)
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・約1兆3,022億円
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)・・・約6,040億円
純資産総額が少ないと繰上償還される可能性が出てきます。なるべく純資産が大きいファンドや、純資産が増加しているファンドを選ぶ必要があります。その点二つの投資信託は純資産総額はどんどん増えてきているので安心です。
『繰上償還』とは・・・
あらかじめ決まっていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用が終了すること。投資家の換金などにより投資信託の規模が一定の水準を下回り、運用会社が効率的な運用はできないと判断した場合等に繰上償還される可能性がある。
引用元:ふくろう教授の投資信託ゼミナール
ベンチマーク
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・S&P500指数
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)・・・CRSP US トータル・マーケット・インデックス
S&P500指数 ※米国ETFでは『SPY』に相当
ニューヨーク証券取引所、ナスダックに上場している銘柄から代表的な500銘柄の株価を時価総額比率で加重平均し、指数化したもの。S&P500の構成銘柄として採用されるためには、単に大型株だからではなく、以下の4つの条件を満たす必要があります。
- 米国企業であること
- 時価総額が131億ドル以上であること(2021年末現在)
- 流動性が高いこと
- 浮動株が発行済株式総数の 50% 以上あり、4四半期連続で利益を上げていること
CRSP US トータル・マーケット・インデックス ※米国ETFでは『VTI』に相当
CRSPとは、Center for Research in Security Prices(シカゴ大学証券価格調査センター)の略称で、シカゴ大学ブース・ビジネス・スクールが所有する11の研究センターの一つです。このシカゴ大学証券価格調査センターで開発されたインデックス(指数)の一つが、「CRSP USトータル・マーケット・インデックス(CRSP US TOTAL・MARKET・INDEX」です。CRSP USトータル・マーケット・インデックスの特徴は以下の3つです。
- 米国株式市場の大型株から小型株までを網羅
- 投資可能銘柄のほぼ100%となる約4,000銘柄で構成
- 時価総額加重平均型の株価指数
運用コスト
運用コストは『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』の方が0.0652%低い
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・0.0968%
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)・・・0.162%
つみたてNISAでの運用は20年程度と長期となり資産額に大きく影響するので、運用コストは低いファンドを選ぶべきだといわれています。
投資先上位10社(※2022年2月18日現在)
順位 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI) |
---|---|---|
1位 | AAPL(6.7%) | AAPL(6.0%) |
2位 | MSFT(5.9%) | MSFT(5.1%) |
3位 | AMZN(3.5%) | AMZN(2.8%) |
4位 | GOOGL(2.1%) | GOOGL(1.8%) |
5位 | GOOG(2.0%) | TSLA(1.7%) |
6位 | TSLA(1.7%) | FB(1.6%) |
7位 | NVDA(1.6%) | GOOG(1.6%) |
8位 | BRK B(1.5%) | NVDA(1.3%) |
9位 | FB(1.3%) | BRK B(1.2%) |
10位 | UNP(1.1%) | JNJ(1.0%) |
投資先上位10社は、順位こそ若干異なるものの基本的には似たような顔ぶれになっています。組み入れ銘柄が同じ理由は、どちらも『時価総額加重平均型』で銘柄を選定した投資商品だからです。
『時価総額加重平均型』とは・・・
構成銘柄の時価総額(株価に上場株式数を掛け合わせたもので、その銘柄の資産価値を表します。)の合計を、ある一定時点の時価総額の合計額で割って算出する。計算時点の時価総額がどれくらい増えたか減ったかを表す株価指数の算定方式の一つ。時価総額が大きい銘柄ほど多く組み入れて、小さいほど少ししか組み入れない計算方法のこと。時価総額の大きい大型株の動きに影響されやすく、多くの銘柄が値下がりした場合でも、大型株が上がると指数が高くなる場合がある。
チャート比較
投資信託自体で比較する場合には2018年以降のデータでしか比較できないため信頼性が低くなってしまいます。そこで、同じ値動きをする米国ETFで比較を行います。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・SPY
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)・・・VTI
チャート比較 1年[2021年7月15日~2022年7月15日]
チャート比較 5年[2017年7月15日~2022年7月15日]
チャート比較 10年[2012年7月15日~2022年7月15日]
チャート比較 20年[2002年7月15日~2022年7月15日]
- チャート比較 1年・・・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】の方が良い
- チャート比較 5年・・・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】の方が良い
- チャート比較 10年・・・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】の方が良い
- チャート比較 20年・・・楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)【VTI】の方が良い
パフォーマンス比較
つみたてNISAで運用する場合には、非課税期間の最長20年間をフル活用するものと思います。そこで1年、5年、10年、20年の4パターンでパフォーマンス比較を行いました。
投資信託自体で比較する場合、2018年以降のデータでしか比較できないため信頼性が低くなってしまいます。そこで、同じ値動きをする米国ETFで比較を行います。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)・・・SPY
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)・・・VTI
パフォーマンス比較 1年[2021年7月15日~2022年7月15日]
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】・・・-10.2%[-10.2%/年]
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)【VTI】・・・-12.9%[-12.9%/年]
パフォーマンス比較 5年[2017年7月14日~2022年7月15日]
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】・・・71.1%[11.3%/年]
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)【VTI】・・・66.0%[10.7%/年]
パフォーマンス比較 10年[2012年7月15日~2022年7月15日]
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】・・・261.2%[13.7%/年]
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)【VTI】・・・245.7%[13.2%/年]
パフォーマンス比較 20年[2002年7月13日~2022年7月15日]
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】・・・369.2%[8.0%/年]
- 楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)【VTI】・・・406.1%[8.4%/年]
- パフォーマンス比較 1年・・・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】が年2.7%上回る
- パフォーマンス比較 5年・・・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】が年0.6%上回る
- パフォーマンス比較 10年・・・eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)【SPY】が年0.5%上回る
- パフォーマンス比較 20年・・・楽天・全米株式インデックスファンド【VTI】が年0.4%上回る
パフォーマンス比較(具体的な金額)
パフォーマンスの差が将来のリターンにどの程度影響を与えるのか比較していきます。
- 毎月積立額はつみたてNISA枠の年間400,000円を12カ月で割った33,333円
- 積立期間は20年間
- 基本条件/年率8.0%【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)】
- 比較条件1/年率8.4%【楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)】
楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)】の方が101万円上回る
運用コスト比較(具体的な金額)
運用コストの差が将来のリターンにどの程度影響を与えるのか比較していきます。
- 毎月積立額はつみたてNISA枠の年間400,000円を12カ月で割った33,333円
- 積立期間は20年間
- リターンはどちらも年率8%
- 基本条件/運用コスト0.0968%【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)】
- 比較条件1/運用コスト0.162%【楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)】
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の方が16万円上回る
毎月積立額の比較(具体的な金額)
毎月積立額の差が将来のリターンにどの程度影響を与えるのか比較していきます。
- 積立期間は20年間
- リターンはどちらも年率8%
- 基本条件/毎月積立額33,000円
- 比較条件1/毎月積立額33,333円
毎月積立額33,333円の方が19万円上回る。
毎月積立額が月々333円増えるだけで、将来のリターンは23万円もの差がつきました。完全に盲点でした。運用コスト(将来のリターン差12万円)を気にする前に、毎月積立額を増やす必要がありました。
オススメな方の特徴
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)のそれぞれの投資信託がオススメな方の特徴をまとめます。
『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』
- 運用コストを抑えたい方 ※20年間で約16万円お得
- FANGへの投資比率を高くしたい方
『楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)』
- 米国全体に投資したい方 ※過去20年間では101万円お得だが切り取る期間次第。
- 中小型株の成長の恩恵を受けたい方
まとめ
- パフォーマンス面では楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)が優れる。20年間で+101万円。※ただし過去20年の場合で切り取る期間による。
- 運用コスト面ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が優れる。20年間で+16万円。
- 毎月積立額は33,333円に設定すべき。33,000円の場合と比較して20年間で+19万円。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)と楽天・全米株式インデックスファンド(楽天VTI)を徹底比較した結果、どちらも優れていることが分かりました。パフォーマンス面を重視するか運用コスト面を重視するかで好みが分かれると思います。パフォーマンス面は切り取る期間次第で結果が変わってしまうため、運用コスト面を重視しても良いかもしれません。一つ間違いなく断言できることは、毎月積立額は33,333円の限度額いっぱいに設定すべきだということです。
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引用元リンク
引用元:https://money-square.net/compare-us-stock-index-fund-2020-07/
引用元:https://moneysta.com/sp500-vti
引用元:https://elite-lane.com/crsp-index/
引用元:https://game-of-the-weak.com/tax/nisa/4705/#toc8
引用元:https://www.rakuten-sec.co.jp/web/fund/saving/simulation/compare.html?m=&y=20&r=4.791&p=50000&f=20,063,005&s=1
引用元:https://www.rakuten-toushin.co.jp/fund/nav/rivue/
引用元:https://www.youtube.com/watch?v=tkLWB9pOLGI
引用元:https://www.ig.com/jp/trading-strategies/what-is-s-p500-210602
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